不動産広告チラシを作成していると、表示規約に反しているかどうなのか、自分の知識だけで判断できないときがあります。
そういう場合、不動産公正取引協議会連合会(以下「公取協」)に問い合わせをし、指示・指導を求めます。
公取協も不動産広告等の相談事例をホームページにて公開しています。 今回は、その中からピックアップした「question and answer」のお話しです。

Q「書き込めるスペースが小さいので、物件の所在地・価格を記載し『詳細はホームページで!』と、ホームぺージで物件概要を書いてあるので、こういう方法で広告をしてもいいですよね?」
これは問題か?問題ではないか?

A「問題あり!広告掲載に定められた一定の事項は『そのものの中で』完結した物件概要にしなければなりません」
むずかしい物言いになってしまいました。
チラシ広告であるなら、表の紙面内もしくは裏表の紙面内で完結する(記載に必須な物件概要を入れる)必要があるのです。
▼詳細は、この画像のとおり。

※画像クリックで大きな画像が見られます
価格・間取・連絡先だけを書いて、ポストに投函することも違反!になります。
テレビCMの通販番組のような「詳細はこちらに~&電話番号やホームページのアドレスを画面に表示している方法」は、不動産広告では違反になります。
じつは。
公取協の講義に参加したとき、私も似たような質問をしたことがあります。

きよの子
「新聞折込チラシを作成しています。クライアントより、物件概要の他に写真を入れたい、間取図も入れたい、 地図も入れたいと要望をもらうことがあります。そういうときに、 先方から物件概要を短くできないかと相談を受けることがあったのですが……可能なのですか?」
公取協職員はキッパリ言い切りました。
「(掲載している物件の)数を減らしてでも、スペースを作ってください」
きよの子「は、はい」(心の声:そ、そうですよね……)
不動産は高額なものがほとんどです。それゆえに、どの媒体でも広告の規約は厳しくなっています。
この仕事に就く前は、別の業界にいた方も多いと思います。
車の販売の時には、高級時計の販売の時には、大丈夫だったのに。婦人服販売の時は、こんなの聞いたことがない……等。
自身の経験と照らし合わせることも、あるのではないでしょうか?それ自体は悪いものではありません。
経験を活かすということは良いことと私は思っています。
しかしながら。しかしながら、なのです。
過去に経験していた――車や時計や洋服の側のルールを、不動産広告と同列に考えるのは危険です。
不動産広告の方が規約が厳しく・細かく、家の特徴によっては一律にOK・NGと割り切れない「判例」のようなものも出てくることもあります。一筋縄にいかないのです。
そのたびに、私は「公取協」に問い合わせをしています。
末筆に。
「チラシの校正を頼むと、入れた事はダメって言われるし、入れたくないことは入れないといけないと言われるから、きよの子さんには頼みたくない」
そう、言われたことがあります。別の人に頼みたい、とも。
私の物言いが悪かったのなら、それは別の者に頼みたくなるのは当然で、私も直さないといけない。 しかし、不動産広告の規約の件についてだけでそう言ったとしたら、それは別の校正に頼んでも結果は変わりません。同じ規約に従っているのですから。
きよの子や、アサヒクリエイションの校正担当が私的に「ダメ」と言っているのではなく、不動産広告の規約で禁止されていることであること。
決して、店舗のスタッフ憎しで「ダメ」「ダメ」言っているのではないことを……いつか営業スタッフさんも分かってくれればいいなあ、なんて希望的観測を思うことがあります。
出典:首都圏不動産公正取引協議会発行【公取協通信第309号】より引用
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